私のプレゼント体験談

現在の旦那とは大学生時代からの付き合いです。
本人は喧嘩をした時に「お前とずっと一緒にいるから」と言った事を勝手にプロポーズだと解釈しており、私はその不満を当時漏らしていました。
 私はかなり夢見がちな、しかもサプライズをする事もされる事も大好きな人間だった為、そんな口約束程度の物はプロポーズでは無いと言って旦那を困らせた物です。
 私のその思惑を汲んで、旦那は壮大な計画をしてくれました。
それは2010年のクリスマスの日。
私達は予約していたディナーの席でプレゼント交換をしていました。
付き合って3回目のクリスマスでしたが、旦那は物ではなく東京ディズニーランドのカウントダウンチケットをくれました。
私達は関西に住んでいて、二人でディズニーに行ったのは一回だけですが、私は大のディズニー好きでそのチケットは本当に嬉しい物でした。
チケットは激戦で取るのに相当苦労した様で、その気持ちも嬉しく二人で年越しをディズニーでする事を心待ちにしていました。
 当日、ディズニーのカウントダウンは徹夜で並ぶ人もいるらしく、私達は舞浜に到着した午前11時過ぎからカウントダウンを待つ長蛇の列に並びました。
彼はこういう事が本来苦手で、その時は「珍しいね。
大奮発だ」とからかったりしながら寒い中をひたすら待ちました。
 いざ開門して、怒涛の様な人波の中を旦那に手を引かれて走りました。
全速力です。
メインステージは少し遠く見える物の正面の席を確保出来ました。
この時も私は珍しいなと思っていました。
人ごみが大嫌いで、立ってでも見えたら良い位の考え方の人だった為、私の為に今日を楽しもうとしてくれてるのだなと単純に嬉しく感じていました。
 しばらく前座を挟んでカウントダウンのメインのショーが始まりました。
私と旦那の定位置はいつも私が左、旦那が右と何となく決まっているのですがその日はやたらと旦那が私の左側に来たがりました。
「俺の方が見やすいから場所代わるよ。
」と言われても、あんまり変わらないのになあと漠然と思っていました。
 そしてカウントダウンもクライマックスに差し掛かり、いよいよ皆で10、9、と大声でカウントした時ふと左手を取られたのに気付きました。
そして3、2、1、0と同時に大量の花火が打ち上がった瞬間、隣にいる旦那から「結婚しよう」と大きな声で告げられました。
 気付いた時には左手の薬指にキラキラ光る指輪がはめられていました。
周りは新年を迎えた興奮で大歓声、空には幾つもの大輪の花火が咲いていました。
私達の前では盛大なショーが繰り広げられていました。
突然の事に頭が真っ白になり、気付いたら私は人目もはばからず号泣していました。
「うん・・・うん」と大きくうなずいて彼の手を取りました。
 聞けば、彼は私の為にこのプロポーズ大作戦をずっと前から考えてくれていたらしく、カウントダウンを万全の体制で整える為にどうしても良い場所でその時を迎えたかったとか(笑)大嫌いな人混みも掻き分けて一生懸命だった彼に合点がいきました。
左側に座りたがったのも指輪をはめたかったからだったのですね。
何も知らないで別に良いよ、という態度を取って彼を困らせていたとは後から知った話です。
 この話をすると色々な人から良かったね、と言って貰えます。
実は彼は当時卒業を控えた学生で大粒のダイヤモンドが光る様なエンゲージリングをくれた訳ではありません。
でも、その大粒のダイヤよりその時彼がくれた指輪が何よりも掛け替えの無い宝物です。

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